農業資材

タキロンシーアイ(株)がカゲナシ5SSを7月発売【改良点とは?】

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カゲナシ5SS

こんにちは、農業資材に関わる仕事を10年以上続けており、施設園芸指導士補の資格を持っているハウスンです。

 

農業のフィルムメーカーであるタキロンシーアイ(株)が7月にカゲナシ5SSを発売します。

 

散乱光(あたり一面に光がちらばること)のフィルムは様々なメーカーが製品として販売していますが、今回は新商品として発売することが決まったばかりであるカゲナシ5SSを紹介いたします。

 

農家 悩む
悩みを抱えた農家さん
「ハウスの中にパイプの影がなくなれば収穫量が増えるんじゃないかな?」

 

農家 悩む
悩みを抱えた農家さん
「ハウス内の作物の大きさがバラバラになってしまうから太陽の光を隅々までとどかせたいなぁ」

 

このように思っている農家さんに読んでもらいたい記事になります。

 

早速結論です。

 

カゲナシ5からの改良点は主に3つあります。

 

1.カゲナシ5よりも更にハウスの隅々まで光を届けることができるようになった

 

2.農POフィルムの弱点である硫黄や酸性系農薬使用時での劣化を軽減できるようになった

 

3.カゲナシ5では改良が難しかった防汚性を強化した

 

上記を深掘りします。

 

旧商品カゲナシ5の特徴

 

カゲナシ5

上の写真は旧商品のカゲナシ5の画像です。

僕が写真を撮りました。

張替え直後ですが曇りがかったように見えることがわかると思います。

 

新商品のカゲナシ5SSと比較するために旧商品のカゲナシ5の特徴を記載していきます。

 

特徴

  • 全光線通過率を下げずに散乱光を増やすことができる
  • タキロンシーアイ(株)製品の中で一番強度が高いバツグン5とほぼ同等の初期強度がある
  • 散乱光が多く入るため作物の下側にも光を当てることができ、果樹・果菜の色付きが均一になることが期待できる
  • 散乱光が多く入るため、作物の葉や芽が焼けることへの抑制になる
  • 耐久性に優れており、長期の展張が可能である
  • 保温性は従来の汎用農POと同等の性能がある
  • 防滴材をコーティング処理してあるので、防滴効果が長期的に継続する

 

十分すぎるほどの特徴に感じますが、この商品を改良したことで他者との差別化を測るんでしょうね。

 

以下は新商品カゲナシ5SSの解説になります。

 

透明品と比べて光の量はどのくらい違うか?

 

実際にタキロンシーアイ(株)の顧客先で測定したデータの結果によると、透明なフィルムと比較して、連棟ハウス谷部の光の量が1.5倍、影になりやすい作物の下部の光の量が1.2倍になったとの優れた結果も報告されている。

 

限られた空間で効率的に光を取り込むことに大きく貢献することができる商品になっている。

 

カゲナシ5SSを使うメリット

 

上記の結論の補足として利点がまだまだあるので記載していきます。

 

・光合成を促進する被覆材(フィルム)の新商品として、タキロンシーアイ(株)で最高級品であるバツグン5と同等の光を確保している。

 

・農POフィルム業界で最も散乱光の割合が多い。

 

・光が拡散することで高温対策がカゲナシ5よりも効果が向上

 

・ハウス内の温度上昇をカゲナシ5よりもより一層緩やかにする

 

・広範囲にハウスの隅々まで光が行きわたる

 

・葉っぱが日差しで焼けてしまうことに対して防止効果がある

 

 

例えばパイプから下に水が落ちる結露水を処理する装置を施したハウス限定にはなるが、連棟ハウスの谷部の下にも作物を植えることができるようになるため、密着しすぎる植え方をすることなく、同じハウス内で植え付ける本数を増やすことができ、収穫がアップする可能性が上がることを期待できる。

 

カゲナシ5SSを使うデメリット

 

・直線的な光を少しでも多く取り入れたいのであれば、タキロンシーアイ(株)製品の中で同等の強度を誇るバツグン5の方が良い。(全光線透過率はだいたい同じ)

・中から見ても外から見てもモザイクがかかったように見える。(外の風景がハッキリと見えない)

・強度と性能は申し分ないが価格が高い(汎用品の農POと比べて)

・外の風景がよく見えない(曇りがかったように見えるので)

 

 

デメリットと言えるのはこれくらいですね。

 

お財布と相談して、予算内であれば新商品のカゲナシ5SS購入を検討してみてもいいと思います。

 

 

実際の価格はどのくらいか?

 

この記事を書いている現在ではまだ価格が提示されていないため価格はまだ未定ですが、今あるカゲナシ5と当面は並行して販売していくということから、同価格になるでしょう。

 

 

ポイント

タキロンシーアイ(株)は当面既存のカゲナシ5と今回の新製品であるカゲナシ5SSの2種類の販売を行っていく方針と発表しています。

 

 

カゲナシ5SSの価格は中・長期用の耐久農POフィルムであれば得意な業者や苦手な業者などによって価格は変動しますが、各メーカーが競い合っているのでそこまで価格に大きな違いはないでしょう。

8年耐久の三菱ケミカルアグリドリーム(株)のスーパーダイヤスターは性能面や価格がだいぶ違うのでそれとは比較しないようにして下さい。

スーパーダイヤスターに関しては後日他の記事で紹介いたします。

 

 

商品切り替えの時は旧商品であるカゲナシ5が特別価格で販売されることも可能性としてあるので、それを狙って見るのもいいかもしれません。

お近くのJA、業者、販売店に問い合わせをしておいて、安くなった時に旧商品のカゲナシ5を購入するといった裏技も選択肢として有りですね!

 

在庫を抱えている所は旧商品は早く売り切りたいと思いますので、確実に安くなるとは言えませんが可能性はあるという情報です。

 

旧商品とはいえ相当いい性能ですので安けりゃ買いですね!

 

 

まとめ

 

農業資材業界ではお客さんからの需要が高まっている散乱光フィルムをメインにして拡販に力を入れています。

 

今回はタキロンシーアイ(株)がカゲナシ5SSを新商品として販売するということだったので紹介しました。

おそらく同業他社も後を追って散乱高フィルムの新商品を出すのではないかと思っています。

 

各メーカーの争いは消費者にとってはメリットですよね!

 

各メーカーがより良い製品を作ることによって性能がアップし、収入を上げる効果が期待できますし。

価格を上げられるのは困るのでもっともっと競争して価格上昇は抑えてほしいですね!

カゲナシ5SSは厚みが0.075mm、0.1mm、0.15mmの三種類がありますし、性能が良い商品ですのでお財布と相談しながら購入を検討してもいいのではないでしょうか。

 

大きなデメリットがないですし、メリットはたくさんありますからね。

 

これからも色々な記事を書きますので参考にして下さいね。

今回は以上です。

  • この記事を書いた人

ハウスン

農業資材に特化した記事を書くハウスンです。 農業資材と関わって10年以上の経験と、施設園芸指導士補の資格を活かして有益な情報を発信していきますのでどうぞよろしくお願いします。

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